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日本内視鏡外科学会理事長のご挨拶

 この度は日本内視鏡外科学会(JSES)の第4代理事長を拝命し、身に余る光栄に存じますとともに重い責任を感じております。JSESはこの25年余りで会員数12,000人を超えるほどに急成長を遂げました。これは外科系の新たな時代を切り拓く内視鏡外科の先進性と、会員諸氏の手術に対する情熱と絶え間ない研鑽の結果に他なりません。JSESは歴代理事長の卓越したリーダーシップのもと会員が一丸となって、教育と安全な普及の推進を中心に幅広い役割を果たしてきました。もちろん我が国で内視鏡外科が普及するに至る道のりは、決して平坦ではありませんでした。しかしJSESには創意工夫と技術革新によって、様々な障壁を乗り越えてきた歴史があります。そして胆嚢摘出術,結腸切除や前立腺切除など、一部の手術は標準治療として認知されるに至りました。また手術手技を安全に普及させるため,世界に先駆けて始めた技術認定制度も定着しつつあります。このようにJSESはあらゆる外科治療の低侵襲化を先導し、医療の進歩と社会福祉の向上に貢献し、世界最大の内視鏡外科系学会として急速に国際化してきたのです。

 JSESは内視鏡外科の普及、技術革新と科学的な検証を推し進めるため、これまで以上に様々な事業を展開していかねばなりません。学術集会や研究会の充実はもとより、機関誌の質の向上とくに英文誌の国際的な認知度を高めていきたいと考えています。とくに学術集会は経済性を勘案し、学会本部が主導する方向性が必要です。機関誌に関しては和文誌と英文誌の住み分けを明らかにし、英文誌のインパクトファクターの早期獲得を目指します。世界に冠たる技術認定制度の質をさらに高める策を施すこと、新専門医制度における本制度の位置付けを明らかにすることも重要です。一方、既に一般化している手技の保険収載を推し進め、関係各所にあたって技術料のアップを働きかけていくことも学会の大切な役割でしょう。JSESは各科横断的であるとともに、看護師や臨床工学士などメディカルスタッフが自由に参加できるといった特徴があります。加えて注目すべきはJSESと企業や工学系の研究者との密接な連携です。内視鏡外科は科学技術の進歩に依存しており、工学系の技術開発を内視鏡外科に取り入れていかねばなりません。このように専門科や業種を越えた人的交流や意見交換、共同研究を行える場を積極的に提供していきたいと思います。これらの課題はすべからく歴代の理事長をはじめ、多くの先達が敷いた路線に他なりませんが、これまで以上に活性化させて成果を挙げていきたいと考えます。

 JSESが我が国の医療を発展させる原動力となるためには、会員諸氏のさらなる協力が不可欠であります。内視鏡外科がもたらす外科治療のイノベーションは、私たちの絶え間ない努力と新しい発想によって生み出されます。これからも個々の会員とともに、常に進化する学会を目指していきます。

日本内視鏡外科学会理事長 渡邊 昌彦